嘘みたいだろ?アプリ開発者って1本のアプリに人生賭けてるんだぜ?(前編)

公開日: : 最終更新日:2018/03/29 アプリ

あくまで自分の話しなんですけどね。でも知ってる限りの開発者はアプリの内容がネタに振り切ってたとしても、マジで作ってるパターン多いですからね。

久々の記事はちょっと長めになるので、前半後半に分けてがっつり書いてみたいと思います。

内容は、昨年の11月にリリースした「私を甲子園に連れてって」というアプリの開発物語的な感じです。

ダウンロードしてない方は、読む前に是非。

iOS

Android

ダウンロードができたら早速本編へ!

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心臓がギュウッと締め付けられることありますか?

昨年は、メディアのインタビューを受けたりして、ダウンロード数とか収益とか全部ぶっちゃけてるので、知ってる方はご存知かと思いますが、節約とかしてなんとかやっていけるレベルの収入がありました。

アプリ界隈では、それでも良い方で、もっと苦しい方とかいっぱいいると思うんですけど、自分も家族を養わなきゃいけない立場なので、はっきり言って、不安しかなかったわけです。

将来の自分の生活費だけじゃなく、子供の学費だったりも必要なわけで、つまり、現状をキープしているだけでは確実に破滅がやってくる……

じゃどうするか?というのはアプリ開発者なら毎日でも自問してる方もおられるのではないかと思いますが、自分も当然考えてました。引退という選択。

とにかく手遅れになる前には、就職するなり、受託するなりと身の振り方を考えなくてはいけないと常々思いながら、でもそれは自分の望む姿じゃないし……とまぁ簡単に言って悩んでました。

悩んでもしょうがないのは分かっているので、とにかく突き進めるだけ進んでいる状態でしたが、やっぱり心臓が締め付けられる感覚は頻繁にありましたよ。寝れない日もありました。

身近(?)な開発者の方々には、最近はちょっとヤバいですって言ってました。(信じて貰えてなかった気もする)

ケジメをつけよう

そして今だから言える。

当時、1年以内に目標の売上を達成できなかったらキッパリ辞める。と妻に伝えたことがありました。

その目標の売上は当時の数倍以上だったんですよ。でもこれくらい稼げないと開発者として生きていけないと考えて決めた金額です。

で、1年って長いようで短く、リリースできるアプリも良くて2個、今までのペースだと1個かなぁと。

なので、きっと次のアプリが最後になるだろうという覚悟はありました。

なんか自分でも無理かなって諦めてた部分があった気がします。

きっかけは意外?なところから

最後となると、プレッシャーも強くなかなか何を作るべきか決められない。

と、そこに偶然にもいつもお世話になってる広告関連の方が名古屋に来られるそうで、有難いことにご連絡を頂き、打ち合わせをすることに。

そこで出た話しの中で、前作の「草野球チームを作ろう!レジェンド」というアプリは、横展開がしやすそうだというものがありました。

個人的には全くそう思っていなかったので、前のめりになって詳しくお話しを伺うと、要は高校野球に舞台を変えたりすればいいんじゃないかと。

目標金額には届きそうにもないけど、上手くいけば収益は2倍になるし、短期間で作れそうだし、最後のアプリを作る前に「草野球チームを作ろう!」の高校編を作るのはアリなんじゃないかと考えたわけです。多分これがきっかけ。

8月まであと2ヶ月!

例の打ち合わせが6月中旬で、高校野球のアプリを作るならそりゃ甲子園までにリリースしなきゃいかんでしょ。

俺には来年の甲子園はないんだから……

ということで、完成までのスケジュールを組み、2ヶ月足らずで完成できるよう毎日力尽きるまで開発をする日々へ突入。

↑は当時作った開発スケジュール(実績)。前半は、まだ不慣れだったモデリングでも3日、アニメーションは2日。ゲームの核となる試合処理は3日で完成させてる。

すごいよ、もしかしたらこれ間に合うんじゃね?

そんなふうに考えてる時期が俺にもありました。

「ぜんため」っていうイベントがあるらしいよ!

どうやら岐阜で開催されるインディーゲームのイベントがあるらしいじゃないですか!

普通に考えたら参加してる暇なんかない。

でも、当時の自分は、名古屋で活動してて元々は岐阜出身で近くに開発者も全然いない(知らない)し、これは応募くらいはしとかないと姿勢的にまずいんじゃね?(謎)と思ったんですね。

とりあえず応募しました。

 

見事当選しました。

 

え?これどうすんの??そもそも出展したこともないよ!

しかも日程がやばくて、

甲子園開幕が8月7日!

ぜんためが8月5日〜6日!

全力で殺しに来てませんか?

自業自得なんですけどね。さすがにキャンセルするのは姿勢的に良くないので、しませんでした。

そんなこんなでぜんために参加!

前日の夜に準備を始めて、当日搬入(むしろちょっと遅刻したすみません)、出展中にも開発……

ちなみに、既にリリース済みのアプリを展示したけど、泣けるほど注目されないのよ。

うん、分かってる。じっくり遊ぶシミュレーションゲームって相性悪いよね。しかも客層も若い(若いってレベルじゃない)から尚更。

もうこればかりはしょうがない。自分にはこれしかないんだもの!

でも、結果的には出展して良かった。

むしろしてなかったら色々終わってた可能性が高い。

その後のキーマンとなる2人の人物と出会えたことがその後の明暗を分けたと思う。

運命って今なら信じる。

そして甲子園開幕!

しちゃったよ。当初のリリース予定だったけど、できてないもんはしょうがない。

延期。

そして甲子園閉幕!

終わっちゃったよ。甲子園やってる間にリリースできればまだいいかなって思ってたけど、できてないんだから仕方ない。

延期。

そしてペナントレース終了!

あわよくば間に合うかと思ってたけど、やっぱ無理。

延期。

そしてクライマックスシリーズ終了!

日数にして数日だし、状況が好転するわけがない。

延期。

そして日本シリーズ終了!

いやー面白い試合だった。(ほとんど観てない)

え?進捗?

延期。

ってあれ?もう野球の話題に便乗できるタイミングがないぞ?

来季の開幕??

きっとその頃には死んでるでしょうね。

開き直れば怖いものなんてない

個人開発って、別に誰に迷惑かけるわけでもないからね。どれだけ延期しようが問題ないからね。もう時間で区切らずガチで作り込もうかなって。

そう思い始めたのは甲子園閉幕に間に合わないと分かったタイミングだったかもしれない。

まさかのここで企画の練り直し。

実装する機能を見直して、やっぱり必要だと思うものを追加。

そして、この時点でアプリの大きな課題だったのが、年月が経つと監督(プレイヤー)はともかくマネージャーは卒業するからイラストたくさん必要になるよね。でもそんなに発注する余裕もないし、イラスト欲しいからって監督(男)のイラストをメインにしたくないし、発注もしたくないし、じゃ無しでいいかなって。

なんなら前作のこの子に登場してもらうつもりでいた。(妻に全力で止められた)

その上、イラストはないと絶対ダメだと妻に説得され、自分では描けないから、結局まずはこの子を描いてくれた方に連絡を。

音信不通になってました……

あの時、もっと報酬をお渡しできていればこんなことには……(自責の念)

とりあえずアプリの方向性も決まってないけど、まずは1人目のイラストを依頼する方向でイラストレーターを探すところから。

結果的には、素敵なイラストを描いて頂ける方に協力頂くことができました。本当に感謝です。

そして、この子のイメージを軸にアプリの方向性を決めていくという……

年月の問題は、実際に遊んで頂いた方は分かると思いますが、マネージャー志望なのに無理やり監督にすることで解決?してます。

監督(プレイヤー)+マネージャーではなく監督(プレイヤー≒マネージャー)といった立場にしました。

3年以上経過しても居座ってることについては、留年したと捉える人もいれば、真っ向からおかしいと指摘してくる人もいますが、この設定なら卒業してそのまま監督業をしてるって考え方もできますよね?

そもそも、年齢も在校生かも明記してませんけどね。

とりあえず、向かうべき先が見えて来た感じです!

何ですかね?このつまらないゲームは。

ある程度形になって来て、一通り遊べる状態になったんです。

当然、テストプレイしてみたんですけど、自分で抱いた感想が、

「誰がこんな面倒なゲームやるんだ?」

でした。

友人にも念のためプレイしてもらって、オブラートに包んで頂いたであろう感想も

「細かい」

でした。

これは練習システムが原因で、当初はたくさんある練習を全部選択できるようにしていたわけです。

それで、各々の練習の効果に加え、選手のステータスと状態を考慮して、毎回、練習メニューを4タップくらいしてそれぞれ切り替えて……

あー、説明するだけでも面倒になってきた。とにかく最初のUIはこんな感じだったのです。何していいのか分からないレベル。

作ってる時は何かカッコいいと思ってたんですよね……(ピンク色の部分は3DモデルのテクスチャがないからなのでUIとは無関係)

でも、このままじゃ仮にリリースしたとしても、自信を持って宣伝できない。

全てを解決する何か上手い方法がきっとあるはず……

ここにきてお蔵入りさせるわけにはいかない……

考えるしかない……思いつくまでとにかく考える……

何日も考え抜いて、出した答えはビンゴゲーム

このUIというかシステム全体をどうするべきなのか決めないと先に進めない。

答えなんてどこにもないし、自分で思いつくしかない。

何かヒントを探して早朝5時とかに散歩しだしたりもした。とにかく考え続けて、何なら寝ながら考えてた。

そうして、もう少しで思いつきそうなところまできて、きっと古典的な誰でも知ってる単純なゲームと組み合わせる必要があるというところまできた。

サイコロとか、ルーレット、トランプ(ブラックジャック)とか…

でもある程度コントロールできないと運要素が強くなりすぎる…

で、最終的にビンゴゲームに行き着いた。

指定された練習をして1列揃えるようにする。

とにかく揃えることに注力して貰えれば、深く考えなくても練習を決めれるし、揃った時の達成感も小刻みに感じることができる!!

(こういう時って素直に自分が凄いと思えるから楽しい。)

これでゲームとしての要素は出揃った!!?

あれ?これどうやって儲けるの?

ずっとゲーム部分ばかり考えてたから、すっかりマネタイズのことを忘れていた。

バナー広告みたいなスペースがあれば良いものは問題ないんだけど、動画広告なんかは、視聴した後に報酬を渡すことができるから、タイミングとか報酬次第で大きく収益が変わる。

それにやっぱり課金要素が重要で、ガチャもなければスタミナ制でもないし、一体何を課金アイテムにすれば良いんだってことに。

運命って信じる?私は信じる。

どうしようかなーって考えていたら、先のぜんためというイベントで自分のブースまで足を運んで頂けたとある広告会社の方が、名古屋まで来られるということで、ご連絡を頂き打ち合わせを。

タイミングが良すぎる!

そして、聞いた。

これ、どうしたらいいですか?(直球)

わざわざ作りかけのアプリをプレイして頂き、とても親切にアドバイスをして頂けました。神。

たくさんのヒントを参考に、マネタイズも上手い落とし所を見つけられた気がします。

ぜんために参加してなかったら……このタイミングでお会いしていなかったら……多分収益に限らず面白さにも数倍の差ができていたんじゃないかと。

やっぱ運命みたいな何かってあるんじゃないかな。

放置要素を最後の最後で追加

マネタイズのアドバイスを頂いた際に、少し気になったのが、放置要素がなくなっていたことを残念がられた(?)ことでした。

前作ではメインとも言える要素だったわけですが、今回はコンセプトが違ったので外してました。

でも、その反応を見て入れた方が良さそう(単純)ということで、急遽システム部分を修正して実装することに。

で、以前の自分の書いたコード……複雑すぎて見るだけで気が遠のく。

そこで、タイミングよく発売された通称「和尚本」。何と放置システムのサンプルコードが!(神かな?いや仏か。)

えぇ、バッチリ流用させて頂きました。素晴らしいコードでした。ごちそうさまです。

以前自分で作った時は2週間くらいかけて開発してましたが、何と今回は数時間ですよ。

工数計算したら一体何十万円の費用を削減できたか。

で、それがKindle版でたった2,700円で手にはいるんですよ。凄くないですか?

(ステマ?っぽい文章はネタのつもりです。1円も受け取ってないですからね。)

ついに……リリース!?

ついに完成した!と思ったところからがスタートなんですよね。何度も経験してるから分かってる。

どういうことかというと、バグがね、たくさんあるわけですよ。

機能単体で動作確認しつつ作ってはいるんですけど、パターンが何万通り以上あるわけで、考慮漏れとか色々なのが原因となって思うように動かなかったり。

プロジェクトスタート時に無理して開発した部分にはやっぱりバグがたくさんあって、直しても直しても不思議と出てくる。

これ、終わらないんじゃ?とさえ思わせてくれるこの現象は、多分近いうちに誰かが名前をつけてくれることでしょう。

で、ある程度落ち着いてきたところで、リリース。しちゃいました。11月末。

あのね、バグを全部潰してたら、先に自分が潰れてしまうんですよ。いろんな意味で。

自分が潰れてしまっては、楽しみにしてくれてる方々に申し訳ないですし。

でも遊んで頂けるユーザーの方々は大切にしたい!ということでやってみたのがバグハンター制度。

バグ見つけてくれたらお礼するよ!って。

課金アイテムをたくさん配りました。機会損失なのかもしれませんが、デバックする工数を考えたら全然良い。

修正できるスピードも全然早いし、Win-Winな関係だと思います。

まとめ

やっとリリース地点まで書けました。すでに5000字超え。

読んで頂けた方々ありがとうございます。

こんな長々と書いた理由は、アプリって1つリリースするのに、開発してる時間以外にも物凄い思考するし、その背景にはいろんな事情があるんだよってのを表現するためです。

企業が作ってるものもたくさんのお金とか人が関わったり、膨大な時間がかけられてると思いますが、個人で作ってるアプリにはリソースは少なくてもその分の物語が詰まっているんじゃないかと。

だから何?って話しかもしれません。コンテンツを消費する側からしたら関係ない話しなのかもしれません。でも、この違いはアプリ内なのか、他の部分なのか分かりませんが、きっとどこかに表れるんじゃないかと信じて毎日頑張ってます。

で、これでも前半なんですよ。まだまだ続きます。

ちなみに後半はリリースしてから今までのお話しです。でも反響?なければ大変なので多分書きませんw

—-追記—-

書きました↓

嘘みたいだろ?アプリ開発者って1本のアプリに人生賭けてるんだぜ?(後編)

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  • アプリ個人開発者。
    東京の大手SIerで働くも名古屋のIT企業に転職。
    しかし1年ほどで退職し、アプリ開発を本格化する為に独立。
    妻子持ちで趣味は野球とテニス。
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