小中高生だったときに観た映画で覚えているものはありますか?
子供の頃、異世界や冒険、新しい出会いなどでワクワクした名作はたくさんあると思いますが、社会人になって、特に家族を持つようになってから観ると、また違った気付きがあります。
その度に観た映画そのものの評価が変わったり、自分の成長を実感できて面白いので、いくつか観た中で特別に気付きが多かった映画を挙げてみたいと思います。
注釈として私が今30歳手前なので、世代が違う方は当然子供の頃のタイミングがズレてくるので当てはまらないことを先に述べておきます。
ベスト3
火垂るの墓
「なんで◯◯すぐ死んでしまうん?」や「節子、それ◯◯やない。××や。」などネットでもよくネタにされているほど人気の作品。
太平洋戦争末期、兵庫県武庫郡御影町(現在の神戸市東灘区)に住んでいた4歳の節子とその兄である14歳の清太は6月5日の神戸大空襲で母も家も失い、父の従兄弟の嫁で今は未亡人である兵庫県西宮市の親戚の家に身を寄せることになる。
最初のうちは順調だった共同生活も戦争が進むにつれて、二人を邪魔扱いする説教くさい叔母との諍いが絶えなくなっていった。居心地が悪くなった清太は節子を連れて家を出ることを決心し、近くの満池谷町の貯水池のほとりにある防空壕の中で暮らし始めるが、配給は途切れがちになり、情報や近所付き合いもないために思うように食料が得られず、節子は徐々に栄養失調で弱っていった。清太は畑から野菜を盗んだり、空襲で無人となった人家から火事場泥棒し、時には見つかり殴られながらも飢えをしのいだ。 Wikipedia –火垂るの墓
子供の頃の感想
今は食事にも困らないし、戦争中は本当に大変だったんだと勉強になった。
清太は節子のこと面倒見てるし偉い。生活に困って泥棒したりするけど、一生懸命生きようとしている姿が凄い。
それにしてもあの叔母さん、性格悪すぎ!
あれ、清太?ダメなやつじゃね?
大人になって観直してみると、そう感じぜざるを得ない。
まだ14歳だし、仕方ないのかもしれない。
でも冷静にみてみると、もっとやりようはあったのではないかと考えさせられます。
この餓死となったキッカケというのも祖母との関係が悪くなり家を出たことが起因してますが、その原因はあの叔母さんが意地悪だからなんて思っていました。
しかし、自分一人生きていくだけでも精一杯の時代に、子供を養い、さらに例の2人を預かるのはかなりシンドかったはず。
極め付けは、清太。NEET!!
今の時代でさえ、ニートは肩身が狭い(当たり前)のに、あの時代で、それを、やってのけているッ!
神経の図太さは一級品であること間違いなし。
もともと家は金持ちで貯金もあった。他の人からみたらイージーモードの人生で死んでしまう清太さんはダメなやつなのかもしれません。
戦争がテーマと捉えがちですが、監督の意図も調べてみると違うみたいです。
高畑勲は、本作品について「反戦アニメなどでは全くない、そのようなメッセージは一切含まれていない」と繰り返し述べたが、反戦アニメと受け取られたことについてはやむを得ないだろうとしている。
高畑は、兄妹が二人だけの閉じた家庭生活を築くことには成功するものの、周囲の人々との共生を拒絶して社会生活に失敗していく姿は現代を生きる人々にも通じるものであると解説し、特に高校生から20代の若い世代に共感してもらいたいと語っている。Wikipedia –火垂るの墓
私は今フリーでアプリ開発をしているので、まさに『周囲の人々との共生を拒絶して』生活している状態に近いのです。もちろん友人や在籍していた会社とのコネクションも一応あるので、清太ほどじゃありませんが・・・
身にしみます。
ベスト2
千と千尋の神隠し
日本歴代興行収入第1位の大ヒット作品。
台湾の台北近郊の町九份がモデルになったと言われるほどそっくりらしいので、一度は行ってみたいですね。(宮崎監督はモデルにしていないと否定しているようですが。)
夏のある日、10歳の少女、荻野 千尋(おぎの ちひろ)は、両親とともに車で引越し先の町に向かっていたが、森の中に迷い込み、そこで奇妙なトンネルを見つける。
両親は車を停めてトンネルの中へと足を進め、千尋も後を追いかける。トンネルの出口の先には草原の丘が広がっていた。更に先へ進み、小川を渡ると誰もいないように見えた町があり、しかし、そこには食欲をそそる匂いが漂っていた。
両親は匂いの先の店を見つけ、断りもなしにそこに並ぶ料理を食べ始めてしまう。一人残された千尋が街の奥に大きな建物を見つけると、謎の少年・ハクが千尋の元へ駆け寄り、日没の前に再び小川を渡って帰らねば、この世界から戻れなくなってしまうと伝える。しかし時既に遅く、実は両親が食べていたは神々の食物で、呪いを掛けられて豚になってしまっており、小川だったはずの場所は海になってしまっていた。
千尋は再びハクに会い、千尋のことを知っていること、両親を助けるためにはここで仕事をせねばならないということを告げられ、両親を助けようと決心する。Wikipedia –千と千尋の神隠し
子供の頃の感想
もし自分だったら。なんて考えると、汚れ仕事も一生懸命する千尋凄い!と感心。
カオナシが差し出したお金もいらないなんて聖女ですか?
自分なら貰えるだけ貰うよ、絶対。
油屋のでっかく賑やかな感じとか、終盤の電車のシーンとかの世界観が好き。
夏の田舎ってのも夏休みを連想して心がワクワクする!
でも・・・ハクが川って?そんなのアリ?
あれ?気づいたら自分、社畜じゃね?
ここで生きていく為には働かなくてはいけない。
もう社会そのものです。
そしてあの油屋は会社。
経営者、湯婆婆の『名前を奪って支配下に置く能力』に加え、千尋が自分の名前を忘れないようにする。というのは、まさに労働者を社畜にしたい社長vsワークライフバランスを訴える社員の構造ですね。
大人になってから観るとワクワクしてられない映画です。
就職して激務に耐えて数年経過したタイミングで観たこの作品。自分、この作中だったらもう名前忘れてるわ。と知らぬうちに社畜化していることに気付かせてくれました。
最後の豚の中から両親を選ぶ問題も、社畜なら答えられなかったのではないでしょうか。
社畜となって自分を忘れてしまえば、分かるものも分からなくなるというメッセージが込められているように感じました。
ベスト1
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
クレしん映画の中でも一番に推す人も多い名作。
昔懐かしいテレビ番組や映画、暮らし等が再現された「20世紀博」というテーマパークが日本各地で開催されていた。毎日付き合わされていい加減辟易しているしんのすけら子供達を尻目に、ひろしやみさえら大人達は、懐かしさに触れて20世紀博を満喫する。
街中でも旧車やレコード、白黒テレビといった古いものが売れるようになり、帰宅しても大人達は昔の懐かしい特撮番組やアニメ番組のビデオに取り憑かれたかのように夢中になる。ある晩、テレビで『20世紀博』から「明日、お迎えにあがります」という放送があり、これを見た大人達は突然人が変わったようになり、すぐさま眠りについてしまった。Wikipedia –クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
子供の頃の感想
いきなり中途半端な寸劇が始まり謎。
そもそも1980年代後半の自分には昭和の感じが全く分からないので、このオトナ達の行動を理解できない。
他のクレしん映画では戦闘やギャグで笑わせてくれることが多いですが、本作では戦闘という戦闘はなくギャグも少なめ。
本気でこの映画が良作と思う人の気が知れない!
オトナになって
まさに自分がオトナになり、そして家族を持つと、この作品のメッセージに初めて気付けるのではないかと。
子供が産まれてから、オトナは自分の時間を犠牲にし子供の為に費やすようになります。
欲しいものがあっても、お金は子供の将来を思うと自由に使えません。
遊びに出かけるにしても、自分が行きたいところではなくて子供が楽しめる場所。
理性というか親としての責任がのしかかる以上、誰もがこの葛藤と戦っています。
もし、親が自分を優先してしまったら?
そんな状況がこの映画で描写されています。
しんのすけの父、ひろしの半生も綺麗に描かれており、最後には家族といる時間が1番幸せだと気が付きます。
自分も親なので、もしこの子がいなかったら海外旅行にも行けたな、とかもっと色んなことできたな。なんて考えてしまうことがあるのですが、家族といる時間を大切にしようと再認識させてくれる名作でした。
昔の名作を観るには?
さて、これらの作品はもう劇場でも地上波でもみることが出来ないのが残念です。
しかし、下記のサービスを利用すれば自宅でもたくさんの映画を観ることができるようになります。
TSUTAYA
定番ですね!
店舗が近くになくて不便と思っている方でも、宅配レンタルというものがあります。
延滞料も送料もかからなくて、返却も近くのポストに入れるだけ!
無料お試しレンタルもやってますので、気になった方はチェックしてみてください。
Hulu
こちらは動画配信サービスです。
月々933円で映画やアニメなどの動画が見放題になります。
ラインナップなど若干の偏りがあるので、観たい映画があるかは事前にチェックしておきましょう。
2週間無料のキャンペーンもやっているので、試しに登録してみるのも手です。
総評
子供の頃に観た映画も、覚えているようで覚えていなかったり、こういった新しい発見もあるので、時間があるときに見直すと新しい映画を観る以上に刺激があったりもします。
子供の頃に観た映画がベースになっているので、今回はアニメ映画がメインになってますが、時間を見つけて色々観ていきたいと思います。
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