マリオブラザーズというゲームをご存知の方は多いと思います。特に30代以降の方は誰もが知っているレベルの有名なゲームではないでしょうか?
あの単純で鬼畜なゲーム。今やってもクリアできるかわかりませんが、アプリ開発者となりゲームを作る側として改めてみてみると良く出来ているなと凄く勉強になります。
特に勉強になるのが、遊び方の説明がなくても遊べるようになっているところです。
キャラクターの動かし方、敵の倒し方、やられてしまうパターンなどがゲーム中に段階的に組み込まれていて、ステージをクリアする毎に理解できてしまいます。
これは簡単なことだと思うかもしれませんが、アプリでゲームを作っていると、面白くしようとする余り複雑な操作を要求してしまったり、説明しないと分からない設定や条件などが増えてしまいます。
そうなるとチュートリアルも長くなり、遊んでくれる筈のユーザーが面倒になって、途中で離れていくということに繋がってしまいます。
前置きが長くなってしまいましたが、優れたゲームというのはマリオブラザーズのような誰にでも遊べるという要素が含まれています。そして、それをチェックするにはまだ満足に日本語も読めない小さな子供に遊ばせてみるのが手っ取り早いです。
しかし。私が作ったアプリは試すまでもなく大人向け。
これじゃつまらないので実験的に2つのアプリを使って遊んでもらいました。
前提条件
最初に遊んでもらう子供の紹介です。
私の甥っ子で小学一年生。親の影響なのかゲーム好き。
祖父のiPadを借りては何かしらゲームで遊んでいる。
最近はWiiの「ニュースーパーマリオブラザーズ」にハマっていて、小1にしては結構うまい。ステージ7まで行ってた。
対象アプリ
子供でも楽しめそうなゲームで似たようなアプリでないと実験の意味が薄れると思ったので、私の独断と偏見でこちらのゲームをチョイス。
とっとこダンジョン
ちょうど私のアプリとリリース時期が近く、さらにDL数や収益等も公開されており非常に参考にさせて頂いたアプリということも選考理由の一つ。
操作は至ってシンプルですが、宝箱をコンプリートしようとすると結構難しいので、子供が遊んだらどうなるのか非常に気になります。
ハンマーズクエスト
こちらは20万DL(恐らくブースト込みですが)されており、成功をおさめているだろうと思われるアプリ。
こちらもとっとこダンジョンと同様に操作はシンプル。爽快感が売りですが、子供にもそれが伝わるのでしょうか?
実験開始
私が遊んでいたデータが残っていては実験にならないので少しためらいながらも再インストール。
とっとこダンジョン→ハンマーズクエストの順で遊ばせてみました。
とっとこダンジョンの反応
さっそく冒頭の物語部分ですが、スキップボタンを押して飛ばす。
漢字も読めないので当然ですけど、ゲームの目的が伝わらないのは開発者にとっては痛いかもしれません。
Wiiのマリオだと、ピーチ姫が攫われるという文字を使わないアニメーションのみでの演出があり、文字が読めなくてもマリオが旅に出る目的が伝わるようになっています。
やっぱマリオ凄いっす。
さらに、とっとこダンジョンにはチュートリアルとは別に会話形式のイベントが組み込まれていますが、なかなかゲームが始まらないことに「長い!」と一言。ここにもスキップボタンあったのに気付かず理不尽なこと言っちゃってます。
ゲームがスタートすれば自動でキャラは動くし戦闘も勝てるので、見て結構楽しんでいたご様子。
最初の数ステージは確実にクリアできるようになっているので「これ簡単!」としばらく余裕を見せていました。
さらに、キャラを操作したくなったようですが、すべての文章を読み飛ばしているので、Uターンなどのスキルを知りません。なのでここは仕方なく教えました。すると、今度はあっち行ったりこっち行ったりしてしばらく楽しんでました。
これもマリオだとアイテムを取ると直ぐに反映されるようになっていて、当たり前のように感じますが、よく考えられた設定だと感心してしまいます。
甥っ子はステージ1-3もクリアし、順調に進んでいるかと思いきや、ステージ1-4でも無意味に行ったり来たり。毒沼が設置してあるので、無駄にライフを削ってしまいまさかの毒死、そして「これ難しい」と掌返し。何もしなくてもここはクリアできるんだけどなぁ。
甥っ子は今度はジャンプしたいと言い出す始末でしたが、当然ジャンプは出来ませんし、次に進めないことから少し飽きた様子だったので、とっとこダンジョンはここまで。
よく出来たゲームだと思うんですが、子供が遊ぶとだいぶ違うということが分かりました。
ハンマーズクエストの反応
こちらも冒頭の物語はスキップ。チュートリアルもたった一画面ですが読み飛ばしました。
しかしダンジョンに入れば画面を連打してハンマーを振り回す。これには大はしゃぎ。
敵をなぎ倒しながら順調に進んでいきますが、「これゴールってあるの?」と少し最初のステージが長いことに不安を覚えていました。
以前、私がしていたパズドラにも興味を示したことがあったのでやらせてみたことがあったのですが、影響がないように無限回廊という50階層のひたすら長いステージに、そう簡単にはやられない耐久パーティで挑ませたら、単調すぎて一瞬で飽きていたので、区切りのタイミングは重要みたいです。
そう考えると、ストーリーなどは無視して、単純にゲームを楽しんでいるのかと思いきや、ゴール等の結果がないと楽しめないということですね。
また、ステージを1つクリアした後は、次のダンジョンを選択する必要がありますが、RPG風なメニューの為、文字がメインで先に進めません。
マリオもとっとこダンジョンも上手く作られていますが、甥っ子が躓かなかったのはやはり以下のような視覚的なマップが効果的だったということでしょう。
さらにチュートリアルを読み飛ばしただけあり、ダンジョンではひたすら連打するのみ。なので「溜め」れることを教えるとまたもや大はしゃぎ。
しかしながら上手くバランス調整されたこのゲーム。無駄に溜め過ぎるとそれが命取りとなり2ステージ目で早くも死亡。
区切りがいいところで甥っ子が着替えの為に一度中断しましたが、結果的にそれ以降はやりたがりませんでした。
他に興味を持ったアプリがあった
上記の2アプリだけを試すつもりだったので、実験は終了したはずでしたが、私の画面に並ぶアイコンをみて興味をもったアプリがありました。
ちなみにその画面はこれです。
このアプリ一覧の「ひまつぶダンジョン」というゲームに興味を示しました。
私が遊んだデータを消していないので、当然途中から。操作方法も分かるはずがないので教えました。
これはちょっと難しいんじゃないかなと思ってましたが、意外にも自在にぴょんぴょんキャラを移動させられることを楽しんでいました。
また、装備変更でキャラの服装が変わったりすることも楽しんでいて、どれが強いか試行錯誤していました。
そして今までの2アプリと決定的に違ったところが、一度やられても飽きずに繰り返しダンジョンに潜るということ。
一体どこに差があったのでしょうか?操作方法を教えたとはいえ、この1プレーの間にハマり度が一番大きかったです。
まとめ
まさか意図していなかったアプリを一番遊ぶとは思っていませんでしたが、甥っ子の遊ぶ様子からアプリ開発のヒントは得られました。これはアプリだけでなく幅広い年齢層に訴求しようとするものでも同じだと思います。
まとめると、
- 文字が読めなくても進められる
- 操作方法は遊びながら覚えさせる
- 単調過ぎてもダメ
といった感じでしょうか。当然ながら大人だとまた違ってきますし、自分の甥っ子以外の子供だとまた違う反応である可能性も高いので参考程度にしかなりませんが、気をつけてみる価値はあるかもしれません。
といいながら今私が開発しているアプリに全然活かせる気がしません。なんといっても野球シミュレーションなので文字が多いですからね。これも発想を変えてこの問題をクリアすれば年齢層を越え、さらに海外にも展開できるようになるので、ビジネス的には大きな差ではあるのですが。
とはいえ、文字の問題をクリアできなくても、この記事を最後まで読んでくれた方々には楽しく遊んで頂けるゲームなので、リリースをご期待ください。
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